仕事やプライベートで「録音した内容をテキストに起こす」という作業は、誰にとっても時間と労力がかかるものです。特に会議・打ち合わせ・インタビューなど、1時間以上の音声を手作業で書き起こすのは、集中力との戦いになります。近年はAI技術の発達によって、スマホ1台で音声を録音し、そのまま自動で文字起こしまで完了できるアプリが急速に増えてきました。これまではPCに音声を取り込み、専用ソフトを使って変換する必要がありましたが、今はスマホアプリで完結できるため、外出先や移動中でも素早く文字データを得ることが可能です。
ただし、アプリによって使い勝手・精度・料金体系は大きく異なります。無料で使える範囲が狭いもの、月額課金が必要なもの、オフライン対応の有無、英語など多言語対応など、それぞれの強みと弱みがあります。どれを選べばいいか迷ってしまう方も多いでしょう。
そこでこの記事では、スマホで完結する音声文字起こしアプリの中から、特に人気が高く評価も安定している3つを厳選し、特徴・使いやすさ・料金・精度・利用シーンを徹底比較します。会議やインタビュー、講演録など実務で使えるレベルかどうか、実際の使い勝手も含めてレビューしていきます。
文字起こしアプリ選びのポイント
レビューに入る前に、まずどんな観点でアプリを選ぶべきかを整理しておきましょう。
- 文字起こしの精度:会議などで固有名詞や専門用語が多い場合、認識精度の高さが最重要です。
- リアルタイム変換か録音後変換か:会議中にその場で文字起こしするか、録音したファイルを後から変換するかで使い勝手が変わります。
- 料金体系:無料枠があるか、月額か従量課金か、買い切りか。
- 対応言語:日本語だけでなく英語・中国語など多言語対応が必要か。
- データの扱いやすさ:文字起こし後にテキストをコピーできるか、クラウド連携できるかなど。
アプリ① Notta(ノッタ)
最初に紹介するのは「Notta(ノッタ)」です。日本語利用者の間ではすでに定番となっており、音声文字起こしアプリの代表格ともいえます。Nottaの大きな特徴は以下の3つです。
- リアルタイム文字起こしの精度が高い:会議中にスマホを置いておくだけで、発話が即座に文字化されます。ZoomやGoogle Meetなどのオンライン会議を録音して、そのまま文字起こしする機能もあり、在宅勤務やテレワーク環境でも強力です。
- 多言語対応:日本語はもちろん、英語・中国語・韓国語など100以上の言語に対応しています。海外の取引先や多国籍チームの会議でも使いやすいです。
- 豊富なエクスポート機能:書き起こしたテキストはアプリ内で編集でき、WordやPDF、Googleドキュメントなどに直接出力可能です。議事録やインタビュー記事の下書きにすぐ使えます。
実際に使ってみると、スマホのマイクでも十分に高精度で認識されます。ただし、複数人が同時に話す場合や、雑音が多い環境では精度が落ちることがあるので、マイク付きイヤホンや外付けマイクを併用するとさらに安定します。
料金体系は無料プランでも月120分までの文字起こしが可能ですが、それ以上利用する場合は有料プラン(月額1,200円程度〜)にアップグレードが必要です。毎日会議がある人や長時間録音を扱う人は有料プランを検討したほうがよいでしょう。
アプリ② Voitext(ボイテキスト)
「Voitext」は、スマホに録音した音声ファイルを後からまとめて文字起こしできるタイプのアプリです。会議中にリアルタイムで変換するよりも、まず録音しておいて、落ち着いた環境で精度高く変換したいという人に向いています。
- 録音ファイルからの高精度変換:AIが録音ファイル全体を解析し、ノイズや間違いを自動修正してくれます。
- スピーカー識別機能:誰が話したかを自動で判別し、発言者ごとに色分けしてくれるため議事録に便利です。
- クラウド連携:Google DriveやDropboxと直接連携し、音声ファイルのアップロードから変換、テキスト出力まで一括で可能です。
リアルタイム変換には対応していませんが、長時間の音声を一括で処理できる点は大きな魅力です。1時間の会議録音を数分で文字起こしできるので、特に長尺インタビューやセミナー記録に向いています。
料金は基本無料(1ファイル30分まで)ですが、長時間や追加機能を使う場合は月額980円〜の有料プランになります。
アプリ③ Texter(テキスター)
「Texter」は、音声文字起こしに加えて、編集・要約・翻訳までを一つのアプリで完結できる多機能型です。会議メモをそのまま整形して資料化したい、インタビュー音声をすぐ記事にしたいという人に最適です。
- 要約機能:文字起こししたテキストをAIが自動要約してくれるため、議事録のサマリー作成が一瞬で終わります。
- 編集&共同作業:複数人が同時に同じテキストを編集でき、コメントや修正履歴も残せます。Google Docsに似た使い勝手です。
- 翻訳機能:英語や中国語に即時翻訳して、バイリンガルな議事録を作ることができます。
文字起こしの精度も安定しており、要約・翻訳まで一気通貫でできるのは他のアプリにはない強みです。料金は無料枠(毎月60分まで)と月額1,500円〜の有料プランがあります。
利用シーン別おすすめ
3つのアプリを比較した結果、用途ごとにおすすめを整理すると次の通りです。
- 会議・リアルタイム議事録:Notta
- 長時間録音・後から変換:Voitext
- 要約・翻訳まで一括:Texter
どのアプリも無料枠があるので、まずは試してみて、自分の使い方に合ったものを見つけるのがおすすめです。
効果的に活用するコツ
- 会議やインタビュー時はできるだけ雑音の少ない環境にし、マイクを口元に近づける。
- アプリごとの強みを理解し、使い分ける(リアルタイム vs 後から変換)。
- 変換後のテキストは必ず目視チェックし、重要な部分は自分で補足する。
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まとめ
スマホ1台で録音から文字起こしまで完結できるアプリは、会議・インタビュー・講演記録などあらゆるビジネスシーンの効率化に役立ちます。Notta・Voitext・Texterはいずれも無料枠があるため、まずは試し、精度・使いやすさ・料金を比べて自分に合ったものを選ぶのがポイントです。文字起こしにかかる時間を大幅に削減し、より重要な作業に集中できる環境を整えてみてください。
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